感謝状 贈呈式での記念撮影:左から当社代表取締役社長 中阿地信介、テラ・ルネッサンス理事 鬼丸昌也氏
ソフマップはリユースおよびリサイクルを通じて、環境循環型社会の実現に取組んでいます。その取り組みの中で紛争鉱物問題を知り、この社会問題の解決に向けて認定NPO法人テラ・ルネッサンス(以下テラ・ルネッサンス)の活動を通じて、紛争で傷ついた現地の人々の社会復帰などのプロジェクトに役立てていただくためにリユースパソコンを2024年6月より寄贈しています。この度2回目となるリユースパソコンを寄贈しました。寄贈したパソコンがテラ・ルネッサンスの海外活動拠点でどのように活用いただいているのかについてご紹介します。
リユースパソコンの
可能性について
これまでテラ・ルネッサンスに寄贈してきたパソコンは全てリユースパソコンです。使わなくなったIT機器をリユースし、新たに使用するレアメタルを減らすことで、少しでも紛争鉱物問題の解決に貢献していきたいという考えのもと、ソフマップではITADサービスで買い取ったパソコンの一部を寄贈しています。ITADサービスとは、IT 資産の購入から買取・リサイクルに至るまで、IT 資産をライフサイクル全体でサポートする法人向けサービスです。多くの企業が不要になったIT機器をリユースすることでサーキュラーエコノミーの実現と共に、社会問題の解決を目指しています。
データ消去作業の様子
整備・検品後の梱包風景
寄贈されるリユースパソコンの一部
寄贈した
リユースパソコンについて
今回寄贈したリユースパソコンは、日本から何千キロも離れたアフリカのウガンダ・コンゴ民主共和国および、アジアのカンボジア・ラオスにあるテラ・ルネッサンスの事業所で働く現地職員の方に支援活動のプロジェクトで使用していただいています。リユースパソコンがどのような用途で活用いただいているのかテラ・ルネッサンスの各事業や各国の背景と共に紹介します。
アフリカ
ウガンダ
灌漑農業プロジェクト
~安定した食料生産の確保のために~
ウガンダでは1980年代後半から紛争が始まり、ウガンダ政府と反政府勢力との内戦は2006年頃まで続きました。内戦時には、幼い子どもたちが武装勢力により誘拐され、強制的に兵士にさせられるケースが多くありました。さらには、貧困を理由として自らが志願し兵士となるケースもあります。子ども兵は世界で少なくとも推定25万人いるといわれており、この問題はとても深刻です。テラ・ルネッサンスでは、2005年より元子ども兵の社会復帰の支援を続けています。
今回寄贈したリユースパソコンは、テラ・ルネッサンスの新たなプロジェクトである灌漑農業事業で活用されています。ウガンダの東北部に位置するカラモジャは干ばつがひどい地域で、それによる飢餓が問題となっていました。テラ・ルネッサンスは現地で暮らす人々の安定した食料生産を確保するために灌漑農業で支援をしており、事業の進捗状況の記録や支援者を正確に管理するためにリユースパソコンが使用されています。
コンゴ民主共和国
自立支援事業~乳製品・養蜂による加工・販売~
豊富な天然資源を持つコンゴ民主共和国は、その資源をめぐって紛争が続いており、そこで暮らす人々は現在も深刻な影響を受けています。かつてウガンダで活動していた武装勢力はコンゴ民主共和国へと場所を移し、ウガンダで誘拐した子どもたちも兵士としてコンゴへ連れてこられ強制的に戦闘に参加させられています。戦闘で負傷した子ども兵はその場に取り残され、ようやく戦闘から逃れることができても、基礎教育を受けていないことから職に就けず経済的に困窮している状況に加え、加害者として近隣住民の憎しみの対象になるなど、社会的に非常に弱い立場となっています。
テラ・ルネッサンスは、元子ども兵をウガンダの故郷へと帰還させる活動や、自らの力で生計を立てていけるように自立支援事業を行っています。また、紛争の被害を受けた脆弱層に対しては職業訓練を行っており、洋裁や石鹸づくり、養蜂によるはちみつの加工・販売などの事業をサポートしています。今回寄贈したリユースパソコンは、各活動のデータ管理や商品の在庫・販売記録をつけるためなどに活用されています。
洋裁の職業訓練を受けている様子(コンゴ民主共和国)
養蜂ではちみつの加工・販売を行っている様子(コンゴ民主共和国)
パソコンで灌漑農業の記録をつけている様子(ウガンダ)
アジア
カンボジア
農協の運営強化事業
~過疎化を防ぎ自立した生活を確保するために~
水に恵まれた土地が多いカンボジアでは農業が盛んでしたが、近年では観光業の発展や縫製業の伸長で経済成長が著しい国です。しかし、1970年から90年代の内戦でカンボジアの北西部に多数埋められた地雷が農村部で未だに残り続け、復興の妨げになっているところもあります。また、農業などの仕事中や子どもたちが遊んでいる時など一般市民が生活を送っている中で被害に遭うケースが多くあります。
テラ・ルネッサンスでは、地雷被害者や地雷埋設地域の貧困層が経済的に自立できるよう農業支援や家畜飼育支援を行ってきました。2023年からは、JICA草の根パートナー事業としてバッタンバン州サムロート郡で農協の運営強化を支援しています。高齢化が進む農協の幹部を補佐する若手職員を育成し、持続的に地域住民の生活に貢献することを目的として活動をしており、ソフマップが寄贈したリユースパソコンは、家畜飼育のモニタリング調査の実施データ分析や、会計報告書、会議の議事録作成などに加え、訓練生向けのパソコン指導にも使用されています。
ラオス
教育支援事業
~新たな不発弾被害を防ぐために~
ラオスの不発弾の問題はベトナム戦争中の大規模な空爆、特にクラスター爆弾によって引き起こされたもので、不発弾の数は約8,000万個に及ぶと推定されています。現在も多くの不発弾が残っており、住民の生活に大きな被害をもたらしています。特に、子どもたちが遊び道具と間違えて触れてしまい爆発させる事故が発生しています。こうした現状からテラ・ルネッサンスでは、新たな不発弾事故を防ぐために、不発弾撤去団体MAG-Lao、UXO-Laoへ資金や金属探知機を提供しています。また、撤去後の土地において学校建設の支援を実施し、そこで子どもたちに不発弾回避の教育支援も行っており、そうした現地の学校の先生が子どもたちへの教育のためにリユースパソコンを活用しています。
テラ・ルネッサンスが支援しているマーケットの事務作業用にリユースパソコンを使用している様子(カンボジア)
学校でリユースパソコンを使用して不発弾回避教育を受けている様子(ラオス)
各国から届いたメッセージ動画
リユースで気軽に社会貢献できる社会を目指して
当社はこれからも企業が不要になったIT資産をITADサービスで積極的にリユース・リサイクルすることで紛争鉱物問題をはじめ、様々な社会問題の解決に取り組むと共に、だれしもが気軽にリユースを通じて社会貢献できる仕組みを構築してまいります。